豊田市の工場や倉庫等の塗装工事について
豊田市は工場や倉庫の多い環境となっていますが、工場や倉庫の塗装はどのような特徴があるでしょうか。また一般住宅と比較してより多くの機能性を用いられる床用塗料にはどのようなものがあるでしょうか。
豊田市の地域特性と工場や倉庫について
豊田市は西三河地方の中核都市で、日本を代表する工業都市です。トヨタ自動車を中心として製造業が非常に盛んであり、工場や倉庫もまた非常に数多く存在しています。
工場や倉庫の塗装の特徴
一般住宅と同じく工場や倉庫の建物にも塗装が必要になります。その目的は日光の紫外線や風雨から屋根材や外壁材を守ることであり一般家屋と違いはありませんが、建物の建材が異なることが多いために、塗装のポイントや使用するべき塗料が違ってきます。
ここでは、外壁、屋根、床に分けて、それぞれ工場や倉庫の塗装の特徴を見ていきます。
工場や倉庫の外壁塗装
工場や倉庫の外壁材には、一般住宅と同じものが使われている場合も違うものが使われている場合もあります。モルタルやALCは一般家屋やオフィスビルと同じ建材ですが、スレート(大波スレートや小波スレート)、カラー鋼板などは工場でしか使われない外壁材です。
工場や倉庫でしか用いられないといっても塗装が必要という点では変わりはありません。屋根材やエクステリアの塗装で金属系の素材を使うことも多いので、工場や倉庫の外壁塗装に関しては、塗る面積以外は、住宅家屋との大きな違いはないといえます。
工場や倉庫の屋根塗装
工場や倉庫の屋根材には、スレートや鋼板が使用されていることが多く、スレートと言っても一般住宅で使用されているものではなく、大波スレートや小波スレートとよばれる大型のものです。一般住宅用のスレートやガルバリウム鋼板などによる屋根は、既存家屋を改造したような小規模な工場は考えられるかも知れませんが、一般的にはほぼ使用されていないと言って良いでしょう。
工場や倉庫の屋根は一般住宅よりも屋根面積が大きく、断熱材も少ないために、遮熱塗料の遮熱効果が大きく現れる傾向にあります。施工実績が多く、塗る面積も大きいためにコスト的にも優れた遮熱塗料を用いると良いでしょう。
工場や倉庫の床塗装
工場や倉庫の塗装というと床塗装が最も特徴的です。一般住宅でもコンクリートを使用している箇所に塗装を施すことはありますが、限定的です。しかし工場や倉庫の床はコンクリートばりであることが多く、塗装をしないと劣化してしまいます。屋内なので日光の紫外線や吹きさらしの風雨からは守られているものの、摩耗、衝撃、寒暖差、耐油、耐酸、耐水といった非常に過酷な使用条件下にあり、外壁や屋根の塗装とは違った機能が求められますし、施工方法も異なります。
床塗装を行うには、まず現状調査を行い、床の使用環境をチェックします。その上で塗料を決定します。
床塗装の現状調査では下記の7項目をチェックします。
- 1. 床の材質
- コンクリート、アスファルト・コンクリート、強化コンクリート、鋼製など。
- 2. 塗膜の有無
- 既存塗膜がある場合は種類と状態を確認します。
- 3. 現在の汚れ状態
- 汚れの種類と程度を確認します。
- 4. 不陸、欠損の有無
- クラック浮き、塗膜剥がれ、欠損や不陸の確認をします。
- 5. 素地の水分状態
- 浸水と含水率を確認します。
- 6. 塗装環境
- 塗装環境や塗床の使用環境を確認します。
- 7. 塗装面積
- 実際に塗装する床面積を確認します。
2で既存塗膜の種類を判別するにはシンナーを用います。
アクリル系塗料、酢酸ビニル、スチレンアクリル系塗料はラッカーシンナーをつけると塗膜が簡単に溶けます。
エマルション系塗料、弾性ウレタン、MMAではラッカーシンナーをつけると塗膜が膨潤してタックが出ます。
無溶剤系エポキシ系塗料、溶剤系エポキシ、溶剤ウレタン系塗料はラッカーシンナーでは溶けません。
3の汚れ状態の調査と4の不陸、欠損の有無では下記のポイントに注目してチェックします。
- 床材の含水率が高い。
- 床材に油分が付着・浸透している。
- 床材に汚れが付着している。
- 床材にワックスがかけられている。
- 床材にフィラーが塗られている。
- 床材がノロ掛けされている。
- 床材に石膏系のレベリング剤が流されている。
- 床材の強度が低い(脆弱素地)。
- 床にクラックがある。
- 床にピンホールがある。
- 床に凸凹がある。
- 床材に吸い込みがない(緻密なコンクリート)
- 床材の水勾配が大きい。
- 床材の水勾配が不十分。
- 既存塗膜の付着強度が低い。
- 床材から湿気が上がってくる。
- 床材にレイタンスが生じている。
- 床の新設時の養生期間が短い。
- 床材が風化している。
- 床材が強化コンクリート
- 凍結により素地が劣化している。
- 薬品が染み込んでいる。
- カビやコケが発生している。
塗料の決定ですが、床用塗料は外壁用塗料や屋根用塗料とは違った選び方が必要になります。床用塗料は美観性、耐摩耗性、付着性、耐水性、対人性、耐油性、耐酸性、耐アルカリ性、帯電性、クッション性、防滑性など、外壁や屋根よりも多くの機能性が求められるからです。
具体的には下記のような塗料になります。
応用1液型エマルション系塗料
コストパフォーマンスが良く、防塵性と防塵性に優れ、外部にも使用できます。1液型の水性タイプで、施工が容易です。大きな荷重の掛かる部位には不向きです。
床用1液型アクリルエマルション系塗料
1液反応硬化形の水性特殊アクリル樹脂が主成分で、外部にも使用可能。高い光沢性を持ちます。1液型の水性タイプなので施工が容易です。
台車、手押し車が通行する程度で、駐車場など荷重の掛かる部位へは不向きです。
床用水性2液型ウレタン系塗料
アクリル・エポキシ系の塗床剤に比べ、耐候性・クラック追従性に優れています。外部での使用も可能で、塩ビシートの上にも塗装できます。
床用水性1液型シリコン系塗料
耐汚染性と耐久性に優れ、特に耐摩耗性は格段に優れています。水拭きで汚れを取りやすいのが特徴です。
艶ありタイプと艶消しタイプを選択できます。
床用水性2液型エポキシ系塗料
速乾性と耐薬品性と耐摩耗性に優れています。光沢が高いです。
水性材料のため引火性の心配が無く、また溶剤エポキシ塗床材と比べ低臭なので、施工環境が優れています。
床用強溶剤1液型アクリル系塗料
速乾性が高く刷毛、ローラーで容易に施工できます。経済的で美しい床面が得られるのが特長ですが、溶剤の臭いが強いです。フォークリフトなど、荷重の掛かる場所に向きません。
床用弱溶剤2液型ウレタン系塗料
旧塗膜がある場合、ほとんどの旧塗膜にプライマーなしで直接塗装が可能です。そのため経済的で工期の短縮が可能です。
床用強溶剤2液型ウレタン系塗料
色の安定性、耐侯性、耐摩耗性、耐久性、耐汚染性、耐油性に優れています。
床用強溶剤2液型ウレタン系塗料(厚膜タイプ)
屋内の施工に適しています。
耐摩耗性、耐薬品性に優れ、適度の弾力性があるためソフトな歩行感、耐スリップ性、防音性に優れます。
歩行の安全性向上の用途で使用するのが良いです。
床用強溶剤2液型エポキシ系塗料(厚膜タイプ)
作業性に優れ、耐酸性、耐アルカリ性に強いエポキシ樹脂を使用しているため、耐衝撃性、耐摩耗性があります。
床用強溶剤2液型エポキシ系塗料(導電タイプ)
ほこりや塵を嫌う工場や、静電気が爆発・火災に繋がることを危険視する工場のために、床や人体の帯電を解消するために開発された塗料です。
床用強溶剤2液型エポキシ系塗料(厚膜抗菌タイプ)
高い抗菌効果を示します。また、エポキシ樹脂が主成分のため耐薬品性、耐衝撃性に優れています。
食品工場など、抗菌性、耐薬品性が要求される場所の床面に向いています。